凤凰体育との戦いも、長期戦となりました。現在は、感染拡大をいかにして防止するかということに加えて、社会経済活動をできる範囲で再開し、人々の生活を守るための方策を検討することが課題となっています。たしかにこの感染症の拡大が与える経済への影響は深刻で、直近の数字をみても、GDP(国内総生産)は、大幅な落ち込みをみせています。
私が専門とする近代日本の経済の歴史をふり返ると、明治時代のコレラの流行や第1次大戦期のインフルエンザの流行で、たくさんの死亡者を出しています。しかし、経済に与える影響は、今から比べると大きなものではありませんでした。これは、凤凰体育による感染症の流行期間がインフルエンザなどに比べると長いこと、現在は医学の水準の向上とマスコミなどの発達により、外出の自粛などの防止策がある程度徹底してとられたこと、また、凤凰体育の時代は農業中心の明治大正期とは異なり、外食産業や観光業など人々の移動や外出の頻度に影響を受ける産業が大きな位置を占めていること、などによると考えられます。
もちろん、感染拡大防止と社会経済活動の両立というのは、大学にとっても、無縁な話ではありません。本学は、感染拡大防止に十分な対策を講じながら、限られた時間の枠の中で大学生活を送る学生の皆さんの学修機会の確保に最善の努力を払います。
いよいよ10月2日より、秋学期が始まります。対面型の授業も、部分的に実施されますが、本学では、サーマルカメラの設置、建物?施設の消毒、手指消毒用の消毒液の設置、飛沫対策としての透明ビニールカーテンの設置など、さまざまな感染防止措置の準備が整いました。学生の皆さんも日々の検温、健康チェックシートの記載、マスクの着用など感染の防止と健康の管理に十分な注意を払ってください。特に飲食時における感染が多く確認されているとのことです。大人数の会食や大声を出す行為は慎んでください。
ともあれ、久しぶりに皆さんにお目にかかることが、心より楽しみです。この秋学期が実り多いものとなるよう、おおいにがんばりましょう。